『キリスト新聞』6月18日付より

アルセンヌ氏1ヵ月の"期限付き"仮放免

「在留特別許可」求め署名活動継続


 グロジャ・ジャル・アルセンヌ氏は、コンゴ民主共和国の混乱の中から庇護を求めて日本へ入国、難民申請をしたが認められず、昨年の9月1日から収監拘束されていたが、6月3日、1ヵ月間という期限付きで仮放免された。
 6月5日の日曜日には、妻の笹井小夜子氏(日本基督教団経堂緑岡教会員)と共に、東京世田谷区の経堂緑岡教会の礼拝に出席した。
 経堂緑岡教会はアルセンヌ氏の仮放免と「在留特別許可」を求める署名用紙を全国1500の教会に送付、署名活動を開始していたが、今後、困難といわれる「在留特別許可」を勝ち取るために、この署名活動は継続される。
 以下、同教会牧師の松本敏之氏の談話。

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 「グロジャ・アルセンヌ氏は、6月3日(金)、仮放免がおり、1ヶ月間という期限付きながら、9ヶ月ぶりに牛久の入国管理センターから出ることを許されました。妻の笹井小夜子さんは、5月31日、電話でのアルセンヌ氏の様子が精神的にかなり限界に来ているように思えたため、翌6月1日に抗議を兼ねて、サポーターの方たちと4人で牛久を訪ねたところ、その場で、突然、仮放免がおりたことを知らされたとのこと。『彼の精神状態が壊れる一歩前で良かった、と思います』と、語ってくれました。
 アルセンヌ氏は6月5日(日)には、笹井小夜子さんと共に、経堂緑岡教会の礼拝に出席し、私たちも喜びを分かち合いました。彼がゆっくりと、しかしきれいな日本語で挨拶をし、感謝の言葉を述べると、礼拝堂は拍手で沸き返りました。
 アルセンヌ氏は、礼拝後の集会では、英語で次のように話しました。
 『私は、二つの特別な経験をしました。一つはコンゴにおける戦争です。そこで私は家族をすべて失いました。私自身、いつ殺されるかわからない恐怖の中で生活しました。しかし私は生かされました。
 もう一つは日本における収監拘束の生活です。そこで私は、いつまでこの生活が続くのかという不安と絶望を経験しました。誰かが私を訪ねてくれた時、手紙をくれた時、希望と勇気が与えられました。
 神は私たちに命を与える時、すでにそれを取り去る日も定めておられます。私が今生きているのは私の意志ではなく、神の意志です。私は神に感謝し、心から御名をほめたたえたい。祈りの働きは奇跡が存在すること信じられるようになることです。奇跡とは私たちの力ではなく、すべてのクリスチャンの祈りを通して、私たちが神から受けるものです。』
 そして、フランス語で、力強く、美しい祈りを捧げました。教会のため、牧師のためにも祈ってくれました。
 署名活動については、仮放免も期限付きですし、困難な『在留特別許可』を求めることが中心ですので、もちろん続行します。署名用紙は、そのままお使いください。最新の情報と署名用紙は、経堂緑岡教会のホームページでご確認ください。カンパも募っていますので、今後とも、どうぞよろしくお願いします。」


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