「キリスト教一致祈祷週」は、北半球では、通常1月末に行われているが、ブラジルでは夏期休暇の真っ只中なので、他の南米諸国同様、ペンテコステに先立つ一週間がこれに当てられている。
今年も5月24〜31日、ブラジル・キリスト教協議会(CONIC)が、世界共通のテーマ「”霊”は弱い私たちを助けてくださる」(ローマ8:26)を軸に作成したテキストを元に、全国各地で合同礼拝が行われた。ブラジル・キリスト教協議会は、カトリック、シリア・オーソドクス、聖公会、メソジスト、合同長老主義、ルター派、改革派の七教会を構成メンバーとして1982年に発足し、翌83年より、この一致祈祷週を普及させることに努めてきた。最近では地方小都市でも、一致のための合同礼拝が行われるようになってきている。プロテスタントの主流であるペンテコステ系諸教会が加わっていないのが残念であるが、個人で参加する牧師や信徒は、毎年増え続けているようである。
北東部レシフェ地区では27〜29日の三日間合同礼拝をまもった。最終日、聖公会のロビンソン・カヴァルカンチ司教は、今年のテーマに沿って「科学技術、政治、経済など、すべてが”力”の時代にある中で、今こそ聖霊を受けるために美徳としての”弱さ”を回復しなければならない」と語った。
またブラジル修道者連絡会のアナ・ボクスルッケル(ベネディクト会修道女)は、@5月20日に起きた先住民シュクルー族酋長フランシスコ・アラウージョ暗殺事件の真相究明、A土地無し農民運動の中で、4月27日不当に逮捕された3人の農民の釈放、Bパナマでラテンアメリカの軍事指導者を養成している合衆国の「アメリカ学校」の閉鎖という三つのキャンペーンへの連帯を呼びかけた。
ブラジル北東部は、十数年ぶりの大干ばつに見舞われ、深刻な飢餓状態が続いているが、この礼拝で捧げられた献金は、干ばつの被害者ために用いられることになっている。
(『キリスト新聞』連載、1998年6月)